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ヒトの不思議を解明するために設立された味の素KK健康基盤研究所。設立当時から所長を務められた高橋迪雄氏に“生物としてのヒトがもつ「生きる力」”についてお話を伺いました。高橋氏は東京大学農学部教授、味の素KK健康基盤研究所所長などを経て、現在は味の素株式会社顧問を務められております。 |
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| ■「生物としてのヒトを考える」というところから、この健康基盤研究所はスタートしましたが、先生はヒトという生物をどのように見ていらっしゃいますか。 |
| 高橋:不思議がいっぱい・・・の生物ですね。その不思議を解明していくことが、僕たちの大きな任務です。動物を見ていると「何でこんなことをしているのだろう?」と思うことがあるのですが、この不思議を解き明かしていく出発点は、そのことは生きていくためにきっと役に立っていると思うことです。そして、「では、何に役だっているのだろう?」という詮索が始まるわけです。大切なのは、動物は基本的にいいこと、「生きる」という目的に合致することをやっているんだという前提です。ヒトも同じような視点で見てみると、随分と見方が変わってくる。600万年と言われる歴史の大部分を生き抜いてきたヒトと、現代の私たち(文明人というのでしょうか)とは大変違って見えますが、文明でゆがめられたり、隠されてしまっていたりすることをそぎ落として、「生物としてのヒト」というバーチャルな存在を仮定すれば、ヒトは他の動物と同じように、基本的に生きるという目的に沿った営みだけをしてきたはずです。そうでなければ、人類はとうの昔に滅びていたはずですからね。 |
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| ■ヒトは「生きる力」を持って生まれてきた生物だと言えるのですね。 |
| 高橋:そう。生きる力がないもの、足りないものは、時を経れば確実に滅びちゃっているわけですから、この瞬間、地上で生を受けていること自体が、生きる力があるっていうことの証明なのです。だから「絶対によくできているはず」と考えて、生物として本来のヒトを追究してみようと・・・。 |
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| ■ヒトに備わっている「生きる力」を、もう少し具体的に説明すれば、どういうことになりますか? |
| 高橋:そうですね。結局はヒトに備わっている生理機能を言っているのですが・・・・。600万年の歴史の中で、長いことかかって、ヒトが構築してきたさまざまな生理機能ですね。研究では、遺伝子、分子、細胞というような枠組みで語られるのが一般的ですが、これでは研究者でない方々とのコミュニケーションはしにくいですよね。だから僕は、「本来の人間はどうだったんだ」ということを、説明のきっかけにしたいんです。例えば、最近では生活習慣病に困っている人も多く、食べ物や健康の話題には皆さん、興味をもっていますね。でも、「困った。さあ、どうしよう」というところから話しが始まるのではなく、「ある病気になることが人類の生存に本当に困ることであれば、その病気とともにもう人類は滅びているはずですよね。でも、何で今までしっかり生き続けてこられたのでしょうか」というような視点から、コミュニケーションを広げていきたいと思っているんです。それが、ヒト本来のもつ生理機能のすばらしさを伝え、生きる力の原点を見出す指標になるのではないかと思います。 |
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| 生物のひとつの種として生命を営むヒトは、600万年という歴史の中で生きる力を進化させてきたのですね。 |
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